HOME > 鎌倉の自然レポート index > 2005年2〜8月
水を抜いた池で生き物調査
フナやタニシを見つけたよ!
「とった!魚だ!」網の中で、力強く跳ねるフナ。おそるおそる水の中へ入った子どもたちも、泥んこの笑顔で「ほら、タニシ!」7月初め、鎌倉市の自然体験講座「緑のレンジャー」に参加する子どもたちが、鎌倉中央公園の池で生物調査を行いました。
周囲の林や花壇からの有機物、コイのえさなどで、池の富栄養化が進んでいます。水中の酸素が不足し、夏には水が腐ったり干上がったりする可能性があることから、鎌倉自主探鳥会グループの皆さんが池の水抜きをして、汚れた水とヘドロの一部を取り除きました。水の減った池には野鳥が訪れ、外来種のブルーギルなどを食べて減らす効果もあります。
この機会に池に入った子どもたちは、ギンブナやドジョウ、タニシなど水辺の生き物を観察したり、数を数えたりしました。この調査結果は、ため池の保全を考える基礎資料となります。
*鎌倉朝日新聞2005年8月掲載(一部変更)
自然残る「室ヶ谷」の谷戸で田植え
子どもも泥んこ、
大はしゃぎ
みずみずしい緑に包まれた、谷戸の田んぼ。一列に並んだ大人たちが、稲の苗を、列がそろうように植えていきます。その足の間を、オタマジャクシがスイスイ。
「室ヶ谷を愛する会」が、腰越の水田で6月中旬、田植えを行いました=写真。市民が里山と水辺の生き物を守るため、一時休耕田だったところを農薬や機械を使わず耕作しており、今年で5年目。会の活動が評価され、市の「景観づくり賞」の受賞歴もあります。
青空自主保育のグループの親子も参加するようになり、田んぼは一段とにぎやかになりました。稲の苗の世話には、子どもたちも参加。苗床の水やりや草取り、苗とりなど、田んぼの周りでお手伝いをしています。年長の子が小さな子の作業を指導したり、面倒を見たりする光景も見られるようになっています。
*鎌倉朝日新聞2005年7月掲載(一部変更)
源氏山で間伐体験
「森を元気に!」緑のレンジャー
慣れない手つきでノコギリを握る子供たち。「引くときに力を入れて」とベテランの指導を受けると、途端に小気味良い音が響き、あたりにヒノキの香りが立ち込めました。
1月、鎌倉市の自然体験講座「緑のレンジャー」に参加する子どもたちが、源氏山公園の森の手入れをしました。込み合いすぎた木を間引くと光が差し、残された木がのびのびと育って森が活性化します。また、森がよく手入れされていたころに適応した動植物の生息環境を守ることにもなります。
木が倒れると子どもたちは一斉に駆け寄り、年輪を数えたり、輪切りにしてコースターを作ったり。2年前に植えたドングリを日当たりの良い場所に移したほか、野外で役立つロープの結び方も習い、いきいきと森での作業を楽しみました。
*2005年2月鎌倉朝日新聞掲載(一部変更)
鎌倉中央公園で収穫祭
もちに谷戸鍋、ふかし芋
ペッタン、ペッタンと響く杵の音、野菜入りの味噌汁「谷戸鍋」やふかし芋に舌鼓を打つ家族連れなどで、谷戸はにぎわいました。
11月、鎌倉中央公園収穫祭が行われ、田畑でとれた米や野菜が、来園者に振舞われました。主催は約1年前に発足した「鎌倉中央公園を育てる市民の会」。農作業や雑木林の活動などに、世代を超えた市民が汗を流しています。
「おいしい!」と「谷戸米」をほおばる子どもに、大人たちにも笑顔がこぼれます。地域に根ざした市民活動の輪は、着実に広がりを見せています。
*2005年2月鎌倉朝日新聞掲載(一部変更)