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天園〜
横浜自然観察の森


 鎌倉市と横浜市とを結ぶ森の道を通って、
横浜自然観察の森まで歩いて行ってみませんか。
この森は、町田市辺りから
三浦半島の先端までつながる、広大な緑地の一部です。
野生の生きものの気持ちになって
市境を越えて広がる緑地を歩いてみると、
新しい発見がありそうです。

地図
 

貝吹地蔵の画像 【貝吹地蔵】
 まずは鎌倉駅からバスに乗り、大塔宮へ。ここから徒歩で、瑞泉寺方面に向かいます。瑞泉寺山門付近の、向かって右手の山すそにハイキングコース入口の道標が立っています。ここから山道へ入りましょう。常緑のスダジイが茂る森の道を登っていくと、道の右手に、赤い前掛けをしたお地蔵さんの姿が見えます。この地蔵は貝吹地蔵と呼ばれ、1333年(元弘3)、新田義貞に攻め入られた際、討たれた北条高時の首を持って渡すまいとして逃げていた高時の家来を、ほら貝の音で谷間に導いて、無事に葬るのを助けたと伝えられています。

 

横浜方面への道の画像 【天園から横浜方面へ】
 坂を上りきると視界が開け、天園へ到着します。六国峠とも呼ばれる場所で、岩盤の上からは、相模湾や鎌倉の市街を一望できます。
 天園で一休みしたら、森の道を北方の金沢八景方面に進んでいきましょう。すぐに鎌倉市から横浜市に入ります。鎌倉霊園の脇を抜けて15分ほど行くと、広間に出て西方に視界が開け、大きな看板に、円海山(えんかいさん)緑地のハイキングコース地図が描かれています。この辺りの山道は、瀬上市民の森や金沢市民の森など様々な場所に通じていいます。円海山緑地は、港南区、磯子区、金沢区、栄区にまたがる約200haの緑地で、市が民有地を借り上げ、整備しているところです。

 

自然観察センターの画像 【横浜自然観察の森・自然観察センター】
 さらに北上すると、やがて横浜自然観察の森へ到着します。身近な自然とのふれあいの場として、横浜市が1986年に開園した約45haの森で、「いきもののにぎわいのある森」と称し、さまざまな生きもののすめる多様な環境が保全されています。まずは園内南端の自然観察センターへ向かいましょう。館内では、自然について楽しく学べる展示がされており、園内の地図や自然観察会・ボランティアなどの情報などが得られます。レンジャーが常駐しており、園内の生きもののことなどについて、直接教えていただけるのも魅力です。

 

湿地の画像 【湿地でトンボたちに出会う】
 自然観察センターで入手できるガイドマップには、4本のネイチャートレイルが紹介されています。今回は、1時間半で湿地・川・林・砂地・池など変化のある自然を楽しめる「ミズキの道」を進ん歩いてみましょう。分岐点にはそれぞれ道標があり、地図と照らし合わせれば道順が分かるようになっています。湿地に渡された木道を歩くと、夏ならシオカラトンボやショウジョウトンボに出会うことができます。

 

ノギクの広場の画像貝化石の画像 【ノギクの広場の貝化石】
 ミズキの道を抜け、ノギクの広場へ。広々とした砂地の野原には、バッタやチョウがたくさんいます。足元をよく見ると、小さな貝が見つかります。200万年前、ここが海だったことを教えてくれる、貝の化石です。

 

ハンミョウの画像 【コナラの谷でハンミョウに出会う】
 コナラの谷を降りていくと、せせらぎにかかる木道で、虹色のハンミョウに出会うこともあります。別名「道教え」というだけあって、人が歩く前を軽やかに飛んでは少し先で止まり、また人が近づくと先に飛んでいきます。小さな妖精と一緒に歩いているような気分になる、楽しい水辺の散策路です。

 

水辺の画像 【いたち川の水辺】
 やがて、舗装路に出て、ここから道を向かって左に曲がり、上っていきます。川岸は広くなだらかで、小さな子も安心して川に下り、水辺の生きものとふれあうことができそうです。水辺の生きものを守るための保護区など、人の立ち入りを制限しているところでは、柵の前にその理由も分かりやすく説明されていて、楽しく散策しながら、生き物を大切にする気持ちが自然とはぐくまれていきそうです。

 

池の画像 【川の源流、ミズスマシの池】
 いたち川の源流部に当たる、ミズスマシの池へ。ここから始まるいたち川は、たくさんの支流の水を集めながら、約8キロ先で柏尾川に合流しています。池では、ついたてに開けられた覗き窓から、池の様子を見ることができます。鳥たちに人に警戒することなく安心して暮らしてもらい、その様子を人間が少しだけ覗かせていただくという、自然にやさしい観察施設。子どもたちがつくったという止まり木で、コバルトブルーのカワセミが羽を休める様子が見られることもあります。

 

森の道の画像 【緑の回廊に思いを馳せて】
 道をさらに上れば、やがて自然観察センターに戻ります。横浜霊園バス停までは徒歩8分ほどです。
 今回歩いた森は、高尾山の東辺り・町田市から、三浦半島の先端まで続いている広大な緑地の一部です。きっとタヌキや小鳥などの生きものたちも、この緑地を通じて、市境を超え行き来していることでしょう。広い範囲でつながりあうこの緑地では、移動しながら生活するものをはじめ、多くの生きものが安心して暮らすことができそうです。ときに生きものの視点で森を歩くと、人も生きものも共にいきいきと過ごせる素敵なまち、大切にしたい地域の宝物の姿が、見えてくるかもしれません。

 

【交 通】鎌倉駅よりバス→大塔宮バス停下車
【行 程】大塔宮バス停(徒歩20分)→瑞泉寺山門そばから天園ハイキングコースへ(徒歩20分)→天園(徒歩30分)→横浜自然観察の森(1時間30分)→(徒歩約8分)→横浜霊園前バス停(バス)→大船駅または金沢八景駅
【トイレ】鎌倉駅、大塔宮(鎌倉宮)、横浜自然観察の森にあり
【その他】
●少し長いコースなので、時間にゆとりのあるときにお弁当などを持って出かけると良いでしょう。
●2007年9月10日現在、台風による影響で貝吹地蔵付近に大きな倒木があるのことですので、十分注意してください。  
●横浜自然観察の森では年に2回ほど、日本野鳥の会によるレンジャー養成講座が開催されているので、自然解説や自然環境調査に興味のある方、将来プロのレンジャーになりたい!という方は、参加してみてはいかがでしょうか。
【横浜自然観察の森へのリンク】

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【引用文献】
鎌倉市教育研究所編,2000.『かまくら子ども風土記』.鎌倉市教育委員会
岸由二,1997.『いるか丘陵の自然観察ガイド』.山と渓谷社
横浜市『横浜自然観察の森ガイドマップ』


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