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さあ、海へ
川を下ってきた水は、やがて、広い海へと出ます。海辺の生き物たちに、会いに行ってみましょう。
春や秋、干潟に訪れるシギやチドリは、夏をシベリア方面で過ごし、冬にはオーストラリア方面まで渡っていきます。晴れた秋の日には、サシバというタカの仲間が、稲村ヶ崎などの上昇気流に乗り、群れをなして南の方へ帰っていく様子も見られます。
渡り鳥たちが利用する海辺を大事にすることは、地球規模の自然を守ることにもつながっていきます。
大潮の日の磯遊び
春〜夏の大潮の日には、和賀江島や稲村ガ崎へ、磯遊びに出かけてみませんか。海の潮が大きく引く大潮の日を潮見表や新聞などで調べて、干潮の時刻の2時間前には海へ到着しましょう。持ちものは、濡れてもいいズック靴、網、観察ケース、帽子、タオル、軍手、飲み水、食べ物、水中メガネなど。
潮だまりで、キラキラと反射する水面の奥にじっと目を凝らせば、さっと身を翻して泳ぐ魚たち。カニやヤドカリも、岩の隙間に潜んでいます。ときには、きれいなアオウミウシと出会えるかもしれません。無数の生命がひしめく浜辺にいると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
磯ではすべりやすいので、足元に気をつけて。また、クラゲやハオコゼ、ウニなど、毒や鋭いとげのある生き物もいるので、触らないように注意してください。
潮が満ちる前に、岸へ上がりましょう。観察した生き物たちは、元の場所へ。動かしたり裏返したりした石も、生き物たちのために、元の位置に返してあげてくださいね。
渚の宝探し、ビーチコーミング
波の音、潮の香りに包まれて、浜辺を散策すれば、サクラガイやタカラガイが落ちているかもしれません。浜辺の漂着物探し、「ビーチコーミング」を楽しんでみましょう。
南の方から流れてきたヤシの実や、川の上流から来たクルミ。回遊してきたアカウミガメが打ちあがることもあります。中国語の書かれた浮きなど、はるばる海を越えてきた漂着物もあれば、港の跡の和賀江島では、時代を超えた古い馬の歯や、青磁が見つかることも。流木や、波に洗われたガラスのかけら「ビーチグラス」で、すてきな工作を楽しんでもいいですね。
また、5月中旬の七里ガ浜には、ピンク色のラッパが転がるように、ハマヒルガオの花が咲きます。11月にはイソギクの黄色い花が、稲村ガ崎の岩礁を彩ります。
海の幸、自然の恵み
鎌倉や腰越の海岸で、2月ごろにはワカメ干し、4月ごろからはシラス干しの風景も見られます。とびきり新鮮な海の幸を、ぜひ味わって。
材木座や由比ガ浜には、漁港がないため、漁師さんは、砂浜にまくら木のような「しゅら棒」を並べて、その上をすべらせて船を上げ下ろししていらっしゃいます。鎌倉エビと呼ばれるイセエビもとれるんですよ。
私たちが普段、何気なく食べている食べ物も、自然のつながりの中で生きていた、かけがえのない命です。私たちは、命の恵みを与えてくれる自然に、どんなお返しができるでしょうか。