HOME > 鎌倉の自然レポート > 2004年3〜5月
陽春の渚にハマダイコンの花
薄紫の花々、点々と
4月に入ると、淡い紫のハマダイコンの花が七里ガ浜の浜辺を彩ります。
ハマダイコンはアブラナ科で、花はダイコンそっくり。ダイコンが野生化したものとされますが、根が固く食用にはなりません。
種が入った「さや」は水に浮き、波に運ばれ移動します。2年草で、毎年、花の見られる場所が変わっていきます。種がどこから流れ着いたのか、今年はどこに咲くかなど、思いを馳せながらの散策も楽しみ。ふと足を止め、見入る人の姿も見られました。
*2004年5月鎌倉朝日新聞掲載(一部変更)
早春の風物詩 ワカメ干し
春の浜辺に緑のカーテン
春の浜辺に緑のカーテン
早春の風物詩、ワカメ干しの風景が今年も鎌倉の海岸で見られました。
養殖場に秋に付けられたワカメの種が成長し、早春に収穫されます。早朝から船で収穫された茶色いワカメは、浜辺の釜でゆでられると鮮やかな緑色に変わります。これを一本ずつ、手作業で棚に吊るして干していきます。
品質や乾き具合を確認しながら、潮風に当てたワカメは、鎌倉ブランドとして全国から引き合いがあります。
緑のカーテンのように並んでつるされたワカメは、風を受けるとカラカラとなり、春らしいのどかな風情をかもし出していました。
*2004年4月鎌倉朝日新聞掲載(一部変更)
緑のレンジャーが野鳥の巣箱を清掃
小鳥が巣作りしてくれるかな
鎌倉市主催の連続講座に参加する「緑のレンジャー」の児童たちが、2月中旬、鎌倉文学館で巣箱の清掃を行いました。
シジュウカラなどが繁殖活動を始める前の冬の時期に巣箱の中を清掃し、春に清潔な状態で子育てできるようにします。
子どもたちは、はしごを使って樹木の巣箱を取り外し、前年に小鳥が卵を産むために使ったミズゴケなどを取り出しました。タイワンリスがねぐらとして使った落ち葉やハチの巣などが見つかると、驚きの声が上がりました。子どもたちは実体験を通じ、自然への興味と理解を深めたようです。
緑のレンジャーは自然観察や公園緑地の管理清掃など緑の体験活動を行っており、鎌倉ユネスコ協会の2003年度ユース賞にも選ばれています。
*2004年4月鎌倉朝日新聞掲載(一部変更)
野外にペットのメダカなどを放さないで
広町で観察続ける
市民ら呼びかけ
鎌倉広町緑地で、本来、生息しているはずのないメダカが相次いで見つかり、生態系への影響が心配されています。
同緑地で自然観察を続けている有志の市民は、2月初め、30匹近いメダカを確認。市内の野生のメダカはすでに絶滅していることから、人の手で放されたものと判断、保護しました。
ほかの地域から持ち込んだ生物は、在来の生物や生態系に影響を与えるおそれがあります。観察を続ける有志の市民は、「もともとその地域にいないペットなどは野に放さず、最後まで責任をもって飼ってほしい」と呼びかけています。
*2007年現在、メダカは確認されなくなっています。
*鎌倉朝日新聞2004年3月掲載(一部変更)