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平成15年2月、鎌倉中央公園で
鎌倉の自然について学ぶ講座が行われました。
その内容を、上に引き続きご紹介します。
鎌倉の自然環境 下
岩田晴夫さん(鎌倉市緑化専門推進員)
【移入種の問題】
鎌倉は、まるで人間が持ち込んだ生き物の展示場のような状態です。
タイワンリス、アライグマ、ウシガエル、アメリカザリガニ、クサガメなどが野生化しています。タイワンリスは、電話線を伝って一気に増えたようです。
キジは、鎌倉では一度絶滅しましたが、その後、狩猟目的で放鳥した人がいます。昔はタヌキが放鳥されたキジを食べたものですが、今はアライグマが増えタヌキが減ったため、キジが生き延びている状態です。
また、大正時代に、ハンターが放したコジュケイも見られます。
虫では、アオマツムシが多くいます。
魚では、ブラックバス、オオクチバス、ブルーギル。クチボソも、昔放されたもののようです。
【市民による調査・エコアップ活動】
鎌倉自主探鳥会グループでは、市民による調査活動や、自然環境の質を高めるための保全作業「エコアップ」を行っています。
エコアップには、その人なりのやり方がありますが、より広い見方をする必要があります。木を切ったり草を刈ったりする前や後に、そのフィールドが日ごろどのような状態か見ておきましょう。
その作業が本当に良かったのかを知るための観察・調査「モニタリング」を行い、どうしたらもっと良くなるのかを考えることが大切です。
【自然保護ボランティアの育成】
きめ細かく自然を観察しながら保全していくには、より多くの自然保護ボランティアを育成していく必要があります。
鎌倉市では、緑のレンジャーという制度を設けています。自然についての知識やマナーを身に付け、将来、保全作業などに参加する人材の育成を目指す連続講座です。
皆さんもぜひ、こうした講座や市民による保全活動などに参加し、自然を守る力になっていただけると嬉しく思います。
聞き書き:鎌倉の自然を学ぶ講座
(平成15年2月実施)より